Hark! the sound of holy voices,
chanting at the crystal sea:
Alleluia, alleluia,
alleluia, Lord, to thee:
multitude, which none can number,
like the stars in glory stands,
clothed in white apparel, holding
palms of vict'ry in their hands.
聞け、聖なる歌声が
玻璃(はり)の海で響き渡るのを、*1
「アレルヤ、アレルヤ
 アレルヤ、主よ」と聞こえるのを。
数えきれないほどの大群衆が
白き衣をまとい、待ち構えている
その手に勝利のなつめやしを握りしめて。*2
Patriarch and holy prophet,
who prepared the way of Christ,
king, apostle, saint, confessor,
martyr and evangelist,
saintly maiden, godly matron,
widows who have watched in prayer,
joined in holy concert, singing
to the Lord of all, are there.
長老も、聖預言者も、*3
キリストの道を整えた者も*4
王も、使徒も、聖人も、証聖者も、*5
殉教者も、伝道者も、
神聖なる乙女も、敬虔なる妻も
祈りの中見守り続けた寡婦も
この聖なる奉唱に連なり、歌っている
万物の主に向かって、かの場所で。

They have come from tribulation,
and have washed their robes in blood,
washed them in the blood of Jesus;
tried they were, and firm they stood;
gladly, Lord, with thee they suffered;
gladly, Lord, with thee they died,
and by death to life immortal
they were born and glorified.
かの者たちは苦難を通ってやってきた、
そしてその衣は血で洗われ、
かの者たちもイエスの血でもって洗われた。*6
彼らは試みにあってなお、強く立ち向かった。
喜びのうちに、主よ、あなたと共に苦しみ、
喜びのうちに、主よ、あなたと共に死んだ者たちです。
そして死ぬことにより永遠の命を
もって生まれ、栄光を得た。

Now they reign in heav'nly glory,
now they walk in golden light,
now they drink, as from a river,
holy bliss and infinite;
love and peace they taste for ever,
and all truth and knowledge see
in the beatific vision
of the blessèd Trinity.
今、彼らは天の栄光のうちに君臨し、
今、彼らは黄金の光の中を歩む。
今、彼らは一本の大河から飲む、*7
聖なる至福と不滅を。
愛と平和を、無限に味わい
あらゆる真実と知識を眺める、
うるわしい光景のうちに*8
祝されし三位一体が見せてくださるものを。

God of God, the one-begotten,
Light of Light, Emmanuel,
in whose body joined together
all the saints for ever dwell;
pour upon us of thy fullness,
that we may for evermore
Father, Son, and Holy Spirit
truly worship and adore.
神よりの神、ひとり子、
光よりの光、インマヌエルよ、*9
その御身体のうちに共に
全ての聖徒らが連なりとこしえに住まう。
わたしたちに主の豊穣を注ぎ込んでください、
わたしたちを永久(とわ)に生かしめるものを。
父と、子と、聖霊に
まことの崇拝と崇敬がありますように。

*1 「玉座の前は、水晶に似たガラスの海のようであった。」(黙示録4:6)より。
*2 なつめやしは優美さ、勝利、祝福など様々な美徳の象徴であり、聖書にひんぱんに登場する。また、このフレーズはヨハネの黙示録7:9の記述にもとづく。

*3 Patriarchは「父祖(すなわち旧約聖書に登場する先祖たち)」とも解釈できるが、黙示録を元にした歌詞なので黙示録に登場する「長老」と解釈した方が良さそう。再臨したキリストの玉座に控える24人の長老が何者なのかというとまた解釈がいろいろと分かれるのだが…

*4 洗礼者ヨハネを指す。

*5 証聖者は告白者、表信者(正教会での呼び方)とも。迫害・拷問を受けたが信仰を守り続けた者たちの中で、殉教には至らなかった者を指す。拷問が原因の衰弱死は殉教ではないというのは何か釈然としないものがあるが。

*6 「彼らは大きな苦難を通って来た者で、その衣を小羊の血で洗って白くしたのである。」(ヨハネの黙示録7:14)にもとづく。
*7 最後の審判の後、善と正義に満ちた天地が新しく創造され、そこには命の水が川となって流れているとされる。
「天使はまた、神と小羊の玉座から流れ出て、水晶のように輝く命の水の川をわたしに見せた。」(黙示録22:1)

*8 visionは単に視覚という意味のほか、神が預言者などに見せる幻、先を見通す力、未来の展望などさまざまな意味を持つ。

*9 「見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み/その名をインマヌエルと呼ぶ。」(イザヤ書7:14)より、キリストの別称。ヘブライ語で「神は我らと共にある」の意。


text: Christopher Wordsworth(1807-1885)
tune: James Langran(1835-1909)

メロディの通称(チューンネーム)は《DEERHURST》(イギリスの地名)。
作詞者のクリストファー・ワーズワースは、高名な詩人であるウィリアム・ワーズワースの甥にあたる。苗字は最近は「ワーズワス」と表記することが多い。



わたしは、たちまち“霊”に満たされた。
すると、見よ、天に玉座が設けられていて、その玉座の上に座っている方がおられた。
その方は、碧玉や赤めのうのようであり、玉座の周りにはエメラルドのような虹が輝いていた。
また、玉座の周りに二十四の座があって、それらの座の上には白い衣を着て、頭に金の冠をかぶった二十四人の長老が座っていた。
玉座からは、稲妻、さまざまな音、雷が起こった。
また、玉座の前には、七つのともし火が燃えていた。
これは神の七つの霊である。
また、玉座の前は、水晶に似たガラスの海のようであった。
(ヨハネの黙示録4:2-6)

Choir of All Saints, Margaret Street, London & Harry Bramma
収録アルバム: Gaudeamus: Music for the Feast of All Saints & All Souls


おまけ:日本聖公会の古今聖歌集には《ハレルヤ、アーメン(はりのうみとおく)》として収録されているが、メロディは《IN BABILONE》によるものとなっている。


ハレルヤ ハレルヤ ハレルヤ アーメン
玻璃の海遠く 聞こゆるみ歌
真白き衣の み使いだちの
海山あまねき 勝鬨(かちどき)の歌

みあとに従(したご)う 聖徒の群れは
十字架の御旗(みはた)を 先立(さきだ)て進み
死に勝てる主こそ 救い主ぞ
喜び溢れて 勝ち歌 歌(うと)う

聖(きよ)き御身体に 接(つ)がれしものよ
聖徒の幸(さち)こそ 永久(とわ)に尽きざれ
み光あまねき イマヌエルの主
ハレルヤ ハレルヤ ハレルヤ アーメン